ルート66保存活動の支援をする Supporting Route 66 Preservation Efforts

ルート66の保存や振興活動を日本からも支援することができます。地域の保存活動の中心的な役割を担うことが多いのが、沿道の各州にある、ルート66協会(Route 66 Association)です。

ルート66協会メンバーシップとなって支援をする

ルート66各地の商業施設では近年設備の老朽化、オーナーの高齢化が進んでおり、経営をあきらめ売却するニュースも多く目にするようになりました。竜巻や水害などの被害もあり、個々のオーナーや小さな町の自治体、住民だけでは対応できない事態も増え、地域外、海外への支援への参加の呼びかけも、しばしばされています。こうした保存活動の中心となっているのが、アリゾナ州を起点に各州に作られた、ルート66協会です。

各州の協会では協会の理事や構成メンバー、地元のメンバーシップ会員、ボランティアを中心にルート66沿道のアトラクションの保全や再建活動、地域のイベントの主催や商業施設の支援、ロビー活動や啓もう活動に取り組んでいます。各地のビジターセンターやミュージアムに行くと協会のメンバーの方にお会いできたり、出版物を目にすることができます。

協会の活動は海外からも支援することができ、支援者になると会報のメールや紙の広報誌を受け取ることができたり、オンラインミーティングに参加できたりといった特典が様々あります。遠いアメリカの現地で何かに参加して貢献することが難しくても、活動の一端を担える機会を得ることができます。

日本からもオンラインで簡単にメンバーシップとなる支援ができて、活動も盛んな2つの州ルート66協会を紹介します。

ニューメキシコルート66協会 New Mexico Route 66 Association

多くのルート66沿いのモーテルや劇場、商店といった商業施設やその看板が立ち並ぶアルバカーキやトゥクムカリ(Tucumcari)を抱える、ニューメキシコ州のルート66協会です。1989年に設立されました。アルバカーキに拠点を置いて活動しています。

アトラクションの保存活動やそのための州や国へのロビー活動、地域のイベントにモーターツアーなどの活動報告が協会のfacebook、発行するNew Mexico Route 66 Association magazineに数多く掲載されています。マガジンでは、近隣のアリゾナ州やテキサス州の活動も紹介しています。

支援者特典

年4回発行されるNew Mexico Route 66 Association magazineを届けてくれるほか、入会時にはメンバーズステッカーがもらえます。会員向け会報メールには、活動報告や支援依頼、新しいプロジェクトの情報、イベントやツアー、ミーティングのお誘いが送られてきます。

特にニューメキシコルート66協会マガジンは、ルート66マガジンが廃刊となってしまったので、定期的に発行される日本で入手可能なルート66情報誌も希少となっています。デジタル版のマガジン、SNSで入手できるルート66情報も増えていますが、昔ながらの紙で手元に欲しい方にはお勧めの情報誌です。

メンバーシップの申込方法

公式サイトの Become a Member から「Family or Individual (International) Membership $75」を選択して申し込みください。Join Us! -> Donateから個別に寄付することもできます。

公式Web: New Mexico Route 66 Association

facebook: Route 66 Association of New Mexico

オクラホマルート66協会 Oklahoma Route 66 Association

オクラホマ州のルート66協会はタルサに拠点を置き、州内のアトラクションの保存活動やロビー活動、地域活動の支援のほか、毎年トリップガイド「The Oklahoma Route 66 Association Trip Guide」を発行しています。

このガイドはオクラホマ州の小さな町の情報や施設もくまなく掲載されていて、オクラホマ州のルート66を旅するには最強のガイド誌です。州内のルート66関連施設やビジターセンターにフリーで置いてありますが、本体価格は$0.00で日本までの送料を支払えば、日本にいながら入手可能です。

支援者特典

会員ステッカーのほか、会員向けに州内のルート66情報、ニュースが掲載されたメールがほぼ毎週送られてきます。オクラホマ州はルート66の距離も長く、facebookと合わせて多くの町の最新情報を得ることができます。

Spotifyにはオクラホマ州ルート66ドライブ用におすすめ楽曲リスト「Cruisin’ Tunes for Oklahoma Route 66」も上げてくれています。日本でも楽しんで聴いてみてください。

Sportifyプレイリスト: Cruisin’ Tunes for Oklahoma Route 66

メンバーシップの申込方法

公式WebのStoreからMembershipへ進み、「Individual Membership (Annual) $20.00」を選択してください。インターナショナルの区分はありません。$200のライフタイムメンバーシップもあります。About -> Donate から直接寄付することもできます。

トリップガイドのみ購入することも可能です。STOREのTrip Guideから申し込み、送料の支払いをしてください。

公式Web: Oklahoma Route 66 Association

facebook: Oklahoma Route 66 Association

支払い時の注意事項

今回紹介した2つの協会やほかの施設や団体でも、PayPalが最もメジャーなオンライン寄付の支払方法なのですが、日本のPayPalから海外へ寄付するのには規制があるらしく、PayPal経由のクレジットカード決済では支払いできないことが多々あります。その場合には以下をお試しください。

  • クレジットカードが支払方法にある場合は、PayPal経由ではなくクレジットカードで直接支払う
  • クレジットカードの決済も海外利用の規制がかかって支払いできない場合は、違うカードを試す。メジャーなECサイトでも何でもないので、不審な海外取引とみなされ止められることがあります。
  • PayPal以外の支払方法がない等、どうしても支払えない場合は、直接相談してみる。個別の購入に使える支払方法を案内してくれることがあります。支援したいという思いを伝えて相談してみてください。

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QRコードでルート66ドライブに革命「Route 66 Travel Guide 202 Amazing Places」

全ての紹介スポットにGoogle MapsへのQRコードを掲載

直近のルート66への旅も随分と前となってしまいましたが当時こんなガイドブックがあれば便利だったのにと思わせる「Route 66 Travel Guide – 202 Amazing Places:」が発売されたのでご紹介します。

このガイドブックは写真は皆無ですが、ルート66の旅でぜひ訪れたい・訪問必須な各アトラクション全202箇所の案内ページには紹介文に添えてGoogle mapsにリンクするQRコードが記載されています。

これまでもGPS座標を記したガイドブックはありましたが、やはりQRコードは次元の違う利便性です。

このブログでも可能な限り正確な場所を案内するため逐一見つけ出してGoogle mapsの地図へのリンクを掲載してきましたが、この本があれば、ルート66の進む順路に沿って迷うことなく目的地にたどり着くことができるでしょう。

なお、郊外というか何もないエリアをはじめ携帯の受信状態が悪い地域もあるので、紙のガイドブックか地図も合わせて持っていくのは推奨ではありますが、過去に旅行した方もあのときこういうのがあれば、と思うこと間違い無しの逸品です。

今やほとんどのルート66ガイドブックが買えるようになった日本のAmazonで購入できます。旅行の計画に合わせてEASTBOUNDかWESTBOUNDをお選びください。

Route 66 Travel Guide – 202 Amazing Places: Chicago to Santa Monica Westbound Edition bucket list with Logbook Journal Road Trip USA (Route 66 Travel Guides)

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ルート66マガジンが廃刊 Thank you, Route 66 Magazine.

2020/2021冬号が最終号に

ルート66の最新情報と歴史を伝える日本からも紙の雑誌の形で購読可能な季刊誌として何度か紹介してきた「Route 66 Magazine」が経営者のPaul Taylorさんが2021年3月に亡くなったことで廃刊となってしまいました。

Paul Taylor, co-publisher of Route 66 Magazine, dies (Route 66 News 2021/3/27)

通常時から日本には2か月ほど遅れで届いていましたのでそういえば次の号が来ないな、コロナの影響だろうかと思っていたところ、訃報を見つけるとともに、後日公式サイトにも読者、関係者の方々への謝辞とともに廃刊の周知がありました。

ルート66の旅を始めた時にはすでにアリゾナ州ウィリアムズからフロリダにオフィスも移された後で、Paulさんはじめスタッフの皆様に直接お会いすることはかないませんでしたが、日本からわざわざ購読したいという妙な読者に何年もお付き合いいただきました。Paulさんのご冥福をお祈りするとともに、感謝の想いをいつかお伝えしたいと思います。

最終刊では近年ルート66観光の盛り上げにも熱心で表紙にもなっているオクラホマ州タルサのネオンサインや、ニューメキシコ州のゴーストタウン、サンフィデルの記事が紹介されていました。

25年の歴史を重ねたバックナンバーも現在は購入できなくなってしまっていますが、いつかどこかのサイト経由で購入できるようになってくれることを願っています。

ルート66情報もソーシャルメディアの活用で電子媒体化も進む中、何か紙媒体が欲しいと思いますところ近年発行された「ROUTE MAGAZINE」は海外からの紙での購読は高額になってしまい難しいと発行者の方にうかがったため、そのほかにも何か購読可能な読み物があればまた紹介させていただきます。

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ルート66の本 新刊(2016-2017)の紹介

ルート66に関連する情報も、いまではすっかりネットで最新情報を入手しやすくなりました。ニュースや口コミの情報サイトだけでなく、レストランやミュージアムなど各施設のFacebookページも充実し、日本にいながら容易にルート66の情報を得ることができる一方で、紙の本は出版不況がずっと続き、ルート66の本などめったに出版されることはありません。
しかしアメリカでは、紙の本は同じように売上が減少しているにもかかわらず、おそらくは以前よりもハイペースで、多くのルート66に関連する本が毎年多数出版されています。

各地のスポットの写真が多く使われているようになっているのも、最近出版される本の特徴で、日本人にも見やすくなっています。一時期はやった絶景写真のような死ぬまでに見たいといえるような風景ではなく、本で行った気になるかというと全然違うかもしれませんが、

・ルート66に行こうという気持ちを盛り上げる
・ルート66に行った思い出を物として残してかみしめる
・ルート66に行ってみたいと誰かをその気にさせる

というような効果も期待できるかもしれません。ここでは、2016年頃以降に発行された新刊をいくつか紹介します。
日本語のルート66の本の新刊はすっかり少なくなってしまいましたが、ほとんどの新刊が日本のAmazonから購入できるようにな便利な時代になりましたし、ルート66の現在を知ることができる本を手に入れてみてはいかがでしょうか。

ルート66マガジン 2017/18冬号

何度か紹介してきた四半期に一度発行される、ルート66マガジンの創刊25周年記念号です。25年の歩みが年表で掲載されているほか、発行者のPaul Taylorさんから読者への謝辞コメントが寄せられています。
Paulさんは2009年にアリゾナ州ウィリアムスから、ルート66から遠く離れたフロリダに拠点を移していらっしゃるのですが、それでも刊行を続けられたのは多くの記事提供をしてくれる読者のおかげとお礼が述べられています。Paulさんはいまでも年2回はルート66を旅しているそうです。

2017/18冬号の主な記事
・1931年フォードモデルAでのルート66の旅
・ルート66各地のホットドックの名店の紹介。有名なCozy Dog Drive-Inなど。
・世界最大の・・・のあふれるアーミッシュタウン、イリノイ州ケーシー
イリノイ州ジョリエットの観光名所

フォード・モデルAはエンジンを作り直して旅に臨み、1ヶ月弱の間にテキサスからオクラホマに出て、シカゴに行き、サンタモニカまでルート66を走破してまたテキサスまで戻ったそうで、オールドカーでなくても大変なドライブ記です。

イリノイ州ケーシーは、ルート66沿いにあるミズーリ州ファニングの椅子より大きなロッキングチェアや、メールボックス、干草用三つ又など、世界最大の品で町おこしに成功した小さなコミュニティです。ルート66からはだいぶ離れてますが、興味が沸くスポットです。
町の公式とおもわれるページ: Big Things Small Town Casey, Illinois

Route 66 Magazineは日本からも購読できます。申し込みはこちらから。
Route 66 Magazine公式Web

ルート66沿いのヴィンテージカーオーナーを訪ねる旅「Route 66 Barn Find Road Trip」

ひなびた田舎のエリアを走るルート66沿いには、映画カーズに登場しそうなヴィンテージーカーが、博物館に大切に保管されていたり、カーズにあやかって目をつけられる等手入れされてあったり、さびるがままにその辺に放置してあったりします。敷地の隅に押し込まれているごみにしか見えない車でも、意外にもオーナーがちゃんといるときが多々あります。

そんな一見放置されている車も手入れされてる車も、ルート66の旅とともにオーナーへ訪問し、車への想いやを売る気があるのかないのかを聞いて回った旅行記がこの本です。修理も何もしませんが、ディスカバリーチャンネルの10年以上続く番組「名車再生!クラシックカー・ディーラーズ(Wheeler Dealers)」とのりは近いとおもわれます。

映画カーズのモデルになったとおもわれるような車も登場しますが、本の内容はルート66そのものというよりはあくまでヴィンテージカーが主題となっています。この種の車が好きな方には、写真集としてもおすすめです。

Amazon: Route 66 Barn Find Road Trip: Lost Collector Cars Along the Mother Road

広告・看板がテーマのルート66本「Route 66 Roadside Signs and Advertisements」

ここの記事でも以前紹介した「Ghost Towns of Route 66」や、「The Route 66 Encyclopedia」など多くのルート66本の作者でもあるJim Hinckleyさんが写真を担当されている著書です。

ルート66が通り抜ける各地の町にあるモーテルやカフェ、レストランといった商業施設の広告や看板を見て回って写真に収めてくるのは、ルート66の旅主要な楽しみ方の一つです。思い描くルート66の風景として、映画に出てくるようなレトロなネオンのイメージを持つ方も多いことでしょう。

近年では、各地で古くなった看板やネオンの保存活動もされており、Route 66 Newsや上記のRoute 66 Magazineでも、店は閉店するも看板は町のシンボルとして復活した等の記事がよく取り上げられています。

この本では、ルート66黄金期のままに現役の看板や、店の廃業等で一度は放置されていたのを復活させた看板、最近になってルート66を活用しての町おこしのために作られた看板やゲート、廃墟で朽ち果てている看板など新旧さまざまな看板やネオンが、美しい写真とエピソードとともに紹介されています。
今回のルート旅のテーマは看板だ!という旅行の際には、イメージを膨らませるのに有用な書とおもいます。

Amazon: Route 66 Roadside Signs and Advertisements

ニューメキシコのルート66の魅力を伝える「New Mexico Kicks on Route 66」

2012年に出版されたアリゾナ州のルート66写真集「Arizona Kicks on Route 66」のニューメキシコ州版です。

ニューメキシコのルート66観光名所といいますと、いまやツアーでも立ち寄るセリグマンもあり、近くにはセドナ、グランドキャニオンのあるアリゾナと比べると、日本における知名度は100分の一もないんじゃないかとおもいますが、中西部のカーズのモデルの町と言ってもよさそうなトゥクムカリや、Breaking Badが撮影されたアルバカーキといった町が、ルート66観光を盛り上げようと近年頑張っている州でもあります。

この2つの町のほかは砂漠のオアシスサンタローザインディアンの町ギャラップなどの写真が多数紹介されています。次のルート66旅行はニューメキシコだと想いをはせたり、ニューメキシコってどこ?と言う方に良いイメージを伝えるのに使えそうな写真集です。

Amazon: New Mexico Kicks on Route 66

大人の塗り絵・ルート66版 「Route 66 Splendor: An Adult Coloring Book」

冒頭に写真を掲載している、大人の塗り絵・ルート66各地の観光スポット・アトラクション版です。

ルート66を旅した方なら誰もが見たことあるような、これからという方もルート66といえばここに行きたい、とおもう観光スポットや道端のアトラクションが塗り絵になって登場です。
アメリカの塗り絵にあまり詳細なデザインは期待していませんでしたが、予想外にきれいな絵柄でした。表紙にもなっているHackberry General Storeなど色数も多数必要な絵もあり、全50種の塗り絵はルート66に思いをはせながら時間をつぶすには逸品の本です。

Amazon(amazon.com): Route 66 Splendor: An Adult Coloring Book

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グアム島戦争遺跡めぐり1 ハガニアからアサンビーチ Guam World War II Sites

グアムにて戦争遺跡を訪問してきました。個人でも1日で回れるコースですが、Discover Guam Toursの主催するツアー「World War II Tour」に参加してきました。

注意: 2023年現在、残念ながらこのツアー会社は既に営業していないようです。

島内各地に残る遺跡のほか、以前訪問したテキサス州フリデリックスバーグにある太平洋戦争博物館ほどの規模ではありませんが、太平洋戦争専門の博物館があります。グアムにおける戦争の記録や見解は専門の方の著書やメディアにお任せしまして、ここでは各地の遺跡の紹介をします。

Plaza de Espana(スペイン広場)

グアムの数少ない歴史的な観光地として紹介される、スペイン統治時代の総督府のあった跡地です。何もないと書かれていることが多いですが、何もなくなったのは太平洋戦争の被害によるものです。旧日本軍は1941年12月のグアム島占領後にここに本部をおいていたため、1944年7月の奪還戦の時に早々にアメリカ軍の爆撃に遭い、ここに建っていた建物はあらかた破壊されてしまいました。

わずかながらに残った建物がこのチョコレートハウスと呼ばれる客人をもてなしたと言われる茶室と、いくつかの小さな屋外にある建物、そして敷地の周囲の壁とゲートです。

こちらは東屋的な建物のように見えます。きれいな赤色の屋根が残っていて、恐らくこの広場で最も保存状態の良い建造物です。総督府では海からの砲撃に備えて数十センチにもなるぶ厚い壁を築いていましたが、20世紀の空からの爆撃には耐えられず崩れ落ち、戦後も再建されずに何もない、平和を伝える広場となっています。

Japanese Caves San Ramon

スペイン広場の裏にある小道、San Ramon通り沿いにある旧日本軍の貯蔵庫として掘られた洞窟跡です。旧日本軍の占領期間中、島民であるチャモロ人が徴用され、壕を掘ったり、砲台を建設したりといった強制労働を強いられた記録が戦争遺跡の各地で紹介されています。詳しくは太平洋戦争記念館・ビジターセンターで学ぶことができます。

上陸地点から離れていたこともあってか、この洞窟は1944年の実際の戦闘では使用されなかったそうです。スペイン広場のすぐ裏手ですが、このあたり道がぼこぼこなので注意して走行ください。

Plaza de Espana(スペイン広場)は空港、タモン地区からも近くにあります。

Pacific War Museum(太平洋戦争博物館)

グアム出身の元海兵隊員、John Gerber氏が建てた小さな私設ミュージアムが、Pacific War Museumです。建物はそんなに広くはありませんが、Gerber氏ご本人が島内各地から収集してきたり、旧日本軍の方本人や家族から送られた興味深い展示品が多数あり、観光エリアからも近いためぜひ訪れて欲しいミュージアムです。

建物に入ると、多数の米軍車両が並んでいます。するかどうかは別として、ジープ、装甲車、LVTといった大型車両は運転席に乗って記念撮影をすることもできます。これらの車両はみなきれいな状態で保存されていますが、Gerber氏が島内に放置されている車両を持ってきて、メンテナンスを行い、走れるようにまでしたということです。旧日本軍の小さな車両も片隅に置かれていて、アメリカ軍の車両との大きさの違いを実感できます。

屋外には旧日本軍の120mm高角砲が展示されています。特攻機と説明書きのある航空機後部の残骸も置かれています。

後期に収集した車両は動かすまでのメンテナンスはできなかったそうで、錆び・汚れが残った状態で放置されています。

車両展示を見終えたら、入り口左右にある日米二手に分かれた通路のような展示コーナーに進みます。ここには、日本側には旧日本軍の銃や捕虜となった兵士の方の描いた絵、戦後長く潜伏していた方の記事などがあります。もう一方のアメリカ側では、奪還戦における兵士の奮戦の記録や褒章、戦後の復興の様子が展示されています。片方だけ見て終わらないように注意してください。

Marin Corps Drive

グアムのメインストリートであるハイウェイ1号線は、グアム島の空軍・海軍の基地をつなぐ道路でもあります。戦中戦後に作られたこの道路はMarine Driveと名付けられていましたが、Marine=海を連想され、海兵隊の功績が薄らいでしまうと海兵隊そのものの名である「Marine Corps Drive」への改名運動に尽力したのが、この博物館を建てた、John Gerber氏です。

パネルを掲げたリアカーを引きハイウェイを練り歩いたそうです。その活動の甲斐あって、グアム戦後60周年の2004年に、晴れて「Marine Corps Drive」へと改名されました。

Pacific War Museumへの行き方

Hagatnaからすぐ、Marine Corps Driveからハイウェイ6号線に入ったところにあります。

Facebook: Pacific War Museum

Asan Beach/War in the Pacific National Historical Park(アサン・ビーチ/太平洋戦争国立歴史公園)

いまではだだっぴろい公園として整備されているアサン・ビーチは、1944年7月21日にアメリカ海兵隊が上陸した一大激戦地です。グアム島にしては広く平地のこの海岸は、グアム解放後も戦争終結まで、前線への物資の中継拠点として使われたそうです。公園の駐車スペース近くには、アメリカ海軍のMK14魚雷がただ一つ、ぽつんと置かれています。

海岸から陸を仰ぐと、当時旧日本軍の陣地が多数設置された丘が連なっています。この後訪問したPiti Gunsもこうした陣地の跡の一つです。

場所はハイウェイ1号線沿いでHagatnaから5kmほどのところにあります。飛ばして見落とさないように注意してください。

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